『コーヒーが冷めないうちに』〜過去に戻れる書店で起こった心温まる四つの奇跡〜と、私に起こった奇跡。

serendipity セレンディピティとは、素敵な偶然に出会うこと、予想外のものを発見することを意味する言葉です。
自然科学の研究などで、調べていたこととは別に思わず大発見に出会うようなことを言うそうです。
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12月26日、豊島公会堂にて劇団天狼院冬公演、舞台『コーヒーが冷めないうちに』が無事に終わりましたが、まさに私はセレンディピティを体験したのでした。
この作品のための作曲を始めるにあたって、台本をたくさん読んで構成を考えました。
曲のイメージと構想がはっきりしたところで、数曲デモ音源を作って演出担当の方と作戦会議をしました。
音楽の構想を話しながら、演出と擦り合わせていく作業はわくわくします。
1曲デモ音源を書き出すときにメトロノームのクリックを消すのを忘れてしまっていました。
その曲は、過去にもどって対話をするシーン。
過去に戻っていられるのは“コーヒーが冷めきるまで”というのがこのお話の大事なルール。
自分の想いを伝えたいけど、伝えても現実は変わらない。
けれど伝えたい。
けれど、うまくどう伝えていいのかわからない。
でももう時間は迫っている・・・
カチ、カチ、カチ、カチ。
「これ、あった方が時間を気にしてるのが伝わっていいですね」
演出のひかるちゃんと、出演女優の清水さんが言いました。
たまたまミスで消し忘れ、時間がなかったためそのまま聞いてもらったのが思わぬ音楽上演出の大きな指針となりました。

「時」

これはこの作品のテーマでもあるし、音楽は時とともにある芸術です。
この「時」に焦点をあてて、作曲上いろんなトリックを仕掛ける方向にグッとイメージが広がった瞬間でした。
そして、この時を刻む音は、メトロノームのような音を想像していたのですが、音量を考慮すると広い舞台では使えません。
何か打楽器でこの音を鳴らせないかと、パーカッションをお願いしていた久米彩音ちゃんに相談しました。
色々試した結果、時計の音とは違うけど木質打楽器の組み合わせで、耳に残る時を刻む音をという設定でいこうとなっていました。
曲も全部できあがっていた、本番の3日前、
彩音ちゃんがぴったりな楽器に出会ったと見せてくれたのが「クリケット」という楽器。
コオロギの鳴き声をまねた音がでる楽器のようですが、これがちょうど時計の音のようで時を刻む音のイメージにぴったりでした。
このタイミングでまさかぴったりの楽器に出会えるなんて。
この楽器の変更は功を奏し、楽曲の中さりげない存在感で時の経過を刻む音となりました。
偶然を運んでくれた天使、彩音ちゃんありがとう。
もちろん、この偶然がなくてもいい音楽、いい舞台はできていたと思います。
でも、偶然に偶然が重なったのは、こういうのが「芸術の神様が微笑んだ」って言うのでしょうか。
(芸術の神様がコオロギだったとは)
そして、今回の舞台、いい音楽ではなく、お芝居の良さが最大限届くような音楽をというのが私の目指すところでした。
演奏メンバーにも理解いただき最高の音楽を奏でてもらいました。
役者の表現が第一。
それを期待して作った音楽が想像通りはまり、想像以上の役者さんの演技によって素晴らしい大成功と呼べる舞台になりました。
一日限りだったのが惜しい。もっとたくさんの人に届く機会がまた巡ってくるといいなと思います。
バイオリンとピアノでバンダ初体験!の写真。
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とても頼りになるスペシャルなメンバーに恵まれました。
★音楽
Violin 西田けんたろう
Guitar 東別府拓真
Percussion 久米彩音
音楽監督(Piano,Composition) 酒井麻由佳
※追記※
書き下ろし音楽デモ公開中です。→https://mayukasakai.wordpress.com/2016/01/28/blog-11/
熱演の役者陣。どの方もキャラクターが魅力的でしたし、本番の演技には驚かされました。
チームワークも良く、ご一緒できて楽しい現場でした。
★出演
大塚圭(時田 流役)
井上仁美(時田 計役)
並里梨菜(時田 数役)
西澤譲(房木役)
森れいこ(高竹役)
林由莉恵(ふみこ役)
佐伯恵太(五郎役)
清水由季(平井八絵役)
目方聖子(平井クミ役)
小板橋みすず(時田 未来役)
わたなべみさと(要役)
岩田響耶(戸上重一役)
そして、素晴らしい本、作品に出会えた感謝!
『コーヒーが冷めないうちに』
脚本:川口 俊和
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その後・・・
『コーヒーが冷めないうちに』に捧げるオリジナル曲を制作しました。
こちらもぜひお聴きください♪
「あの日の場所で」
詞:清水由季 (vo.)
曲:酒井麻由佳 (pf.)
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=OZ4dYhqLY9k?rel=0]




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